序章

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「なっ!」 心外な様子だ。 「ところで土方さん。 この人達、どうするんですか? 殺します?」 沖田は空気を全く読まないようだ。その上、口は笑っている。 「お前なぁ…」 呆れ返る土方。ため息が今にも出そう…。 「だって、この人達さっきの見たんですよ?」 「いちいち余計な事喋るんじゃねぇよ 下手な話を聞かせちまうと、始末せざるを得なくなるだろうが」 確かに…今の沖田の発言は、いけないものを見たということ……。 「この人達を生かしておいても、厄介なことにしかならないと思いますけどね」 「とにかく殺せばいいってもんじゃねぇだろ ……こいつらの処分は帰ってから決める」 「俺は副長の判断に賛成です。 長く留まれば他の人間に見つかるかもしれない」 今まで黙っていた斎藤が口を開いた。 そして、羅刹の死体に目を移す。
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