出会いとホームルーム

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俺達が教卓の周りに集まると、先生は椅子に座り、こう続けた。 「ここ、0組は過去に“虐め”を受けたことのある生徒を集めたクラスだ。お前ら3人を除いてな」 「どうして俺達3人だけ……?」 「まあ待て。お前らにも分かるだろ?……他の生徒が、お前らとは違うことを」 「わからないです」 そう言ったのは『瑠璃垣鶇世夜(ルリガキツヨヨ)』さん。 大人しそうな外見の割にはっきりと自分の意見を言える凄い子だ。 鶇世夜の最大の特徴は“猫耳寝癖”。 俺も最初は猫耳だと思っていたから、髪の毛だと教えられた時は本当に驚いた。 「私も彼らも同じ人間です。違う点なんて何も……」 「じゃあ瑠璃垣には神楽坂がお前と同じ“普通の人間”に見えているんだな?少なくとも、彼女はそうは思っていないだろう。『私は瑠璃垣とは違う』ってな。これは俺の教師人生に賭けて、正しいことだと断言できる」 「う……」 鶇世夜が首を竦めると、先生はため息混じりにこう言った。 「俺も瑠璃垣も神楽坂も、同じ人間だ。そこまではお前の意見に賛成できる。でもな、俺達は違うんだよ。俺は男だし、瑠璃垣は女。……俺の言っている意味がわかるな?」 「……はい」 「人間には感情がある。思いたくなくても思っちまうんだよ……」 先生がゆっくりと目を閉じた。 「話が逸れたな。……お前らは、0組の生徒と普通に接してあげてくれ。そして、あいつらを幸せにしてやってほしい」
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