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「おいおい、脅迫禁止だぞ」
「何をおっしゃいます、隊長」
土屋が欠けた歯を覗かせて笑う。
「増田君にも手伝ってもらおうと思って」
「つーか今『てめぇも手伝え』ってはっきり言ってたろ」
大槻が指摘する横で、上杉が顔を真っ赤にして笑っている。俺は一息ついて、
「仕方ない。……上杉、二人を手伝ってやってくれ」
「はい」
指で涙を拭いながら、上杉が頷いた。
「一応、見張りも頼む。こいつらだけじゃ店頭でチリソースやマスタードを大量に仕込みかねん」
振り向いた高岡の強張った顔が、俺の勘が正しいことを証明している。
「やったら、どうなるかわかってるな」
念のため、釘を刺した。
「"DAEG"が120万くらいなんですよ」
「お前、アレ狙ってるの?」
カタログを読む増田の言葉に土屋が噛み付いた。
「かぶるじゃんかよ」
「別にかぶってもいいじゃないか」
カタログをテーブルに置いてポテトをつまむ。
「二人はカワサキ党か」
わかりやすく頬を緩めた二人。
「やっぱり“漢カワサキ”でしょ」
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