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「党員のこの結束力がキモい」
高岡の言葉に、増田と土屋が目つきを険しくした。
「サ長、外車は?」
「アフター、パーツ代も考えると諦めてもらうしかないな」
「そうスか」
と、高岡。あからさまにつまらなそうだ。
「どうせお前のことだ、ドゥカとかトライアンフとか狙ってたんだろう?」
「よくわかりましたね」
「残念だが、そんな目立つのに乗って仕事になると思うか? 一般や古巣の反発も買うぞ」
「フェラーリやランボルギーニで警らするようなもんだな。見栄っ張りが」
肩を落とす高岡の横で、テリヤキバーガーを幸せそうに頬張る大槻が一人頷いた。
「上杉は? お目当てあるか」
「そうですね……」
飲み物を手に、考え込む上杉。
「私、皆さんが決めた車輌でいいですよ」
案の定の答え。
「上杉、少しは主張していた方がいい。あんこ抜きなんかしたがらない連中だぞ」
「あ、それでも平気です」
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