1.一月:休日初日

4/23
前へ
/611ページ
次へ
 跳ね起きて、俺は現実に戻る。  本当に首を絞められていたかのように息苦しく、何回も空気を貪った。  呼吸が落ち着いた頃に額へ手をやると、掌に汗の雫が大量についてきた。その手も細かく震えている。 「――……」  着ていたシャツがべったりと体に張り付いていたので、ベッドから降りて着替えを取り、点けていたランプを消して寝室を出た。  寝汗のせいか、部屋が一段と肌寒い――二日間の休みをもらっていたことを思い出しながら、窓の外を眺めた。  うっすらと紫がかった青い空。  よく晴れそうだ。  193、194、195……。  敷いたマットの上で日課をこなす。先ずは、プッシュアップ100の2セット。  あと五回。 「ふうっ」  熱を持った腕をクールダウンさせながら、次はマットの上に仰向けに横たわって脚を上げた。  続いてVシットも100を2セット。  それから浜を走りに行くのだ。
/611ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加