空に似ている

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久しぶりの京の空は高くて、たった半年の内に、すっかり遠くなった感じがした。 蒼い衣に白を纏った姿がやけに綺麗で。 誰かを強く、思い出させた。 俺、藤原 伊周(ふじわらの これちか)は若干15歳で太宰府長官を務めている。 若いのにいい役職に就いているのは、多大なコネと運、それからほんの少し実力があるから。 要は親の身分が高ければそれなりの地位につけるってこと。 …よっぽどの愚鈍じゃない限りは、な。 九州から帰省したばかりの俺を待ち受けていたのは。 南の院での弓争いだった。 「…まぁ、負けないけどね」 呟いて、矢を放つ。 一瞬の静寂。 その後、小気味のいい音が辺りに響き渡る。 「お見事!」 「さすがですなぁ」 皆の歓声を受け流して、俺は競っていた相手、源 二舟(みなもとの にふね) に微笑み掛けた。 .
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