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思いも掛けぬ来客。
もしや、俺の帰省に合わせて図ったのか?!
咎めるような眼差しを父上に向けると、首を横に振られる。
「…くそっ」
周囲の空気が、ガラリと変わる。まるで全て入れ代わったかの如く慌ただしくなった。
いつもそう。
この叔父、道長という人物は、何故か他を圧する能力(ちから)を持っていて。
父上も驚いてはいるけど、機嫌を損ねたくはないらしい。
「道長もやっていかないか?伊周と共に」
最悪だ。
俺との弓争いを言い出すなんて!
「……!」
嘘だろ?
冗談じゃない!
誰が好き好んでこいつと仲良しこよし、弓なんかやるかっつーの!!
「どうした、伊周?」
心の中で思いっきり拒否したが、道長は構わずに近寄ってくる。
ふざけるな、鈍感、帰れよ!
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