7人が本棚に入れています
本棚に追加
「嫌だっ、そ、んなに…ご自分の腕を披露なさりたいのなら、一人でやりやがって下さい」
「…負けそうで怖いのか?」
「!」
つとめてクールに皮肉を言ったつもりだった。
それが聞き捨てならない台詞で返されるとは。
……キレてもいいよな?
「だ、誰が何だって?!はっ、望むところだ、やってやるよ!!」
「おい伊周、落ち着けって…」
友人の声も今は耳に入らない。
二舟から手を離して弓を番え、矢を上向きにすると、それを空へと放った。
「…いざ、勝負!」
弓争いの始まりである。
.
最初のコメントを投稿しよう!