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キミの空
JRのホームを抜け、白い小さな建物を目指す。
ひなびた遊園地にあるような、三角屋根のそれは、銚子電鉄の駅の玄関口。
ゆるやかなスロープを少し早足で昇ると、小さなホームへ着いた。
「よかった、間に合ったね」
まだ電車が来ていないことがわかり、ほっとした表情のキミ。
ボクは腕時計をちらっと見て言った。
「まだ3分ある」
「なんだ! でも、よかった」
キミが微笑んだ。
短いホームには、平日の昼間にも関わらず意外に人が多く、制服姿の学生や会社員に混じり、観光客と思われる家族連れやカップルが、電車が来るのを待っていた。
ボクたちは、どんな風に見えるのかな……。
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