キミの空

1/5
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

キミの空

JRのホームを抜け、白い小さな建物を目指す。 ひなびた遊園地にあるような、三角屋根のそれは、銚子電鉄の駅の玄関口。 ゆるやかなスロープを少し早足で昇ると、小さなホームへ着いた。 「よかった、間に合ったね」 まだ電車が来ていないことがわかり、ほっとした表情のキミ。 ボクは腕時計をちらっと見て言った。 「まだ3分ある」 「なんだ! でも、よかった」 キミが微笑んだ。 短いホームには、平日の昼間にも関わらず意外に人が多く、制服姿の学生や会社員に混じり、観光客と思われる家族連れやカップルが、電車が来るのを待っていた。 ボクたちは、どんな風に見えるのかな……。 .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!