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「…でも、なんでわざわざ首を裂いたり、腕をもぎ取ったりしたんだ?手間だって掛かるだろうに…」
連行中、学園の校門前で警部に聞かれた斎は答えた
「……あれは僕じゃないよ。」
「んだとっ!?」
斎は警部のほうに振り返る
「…僕が殺したのは…
最初の一人だけだから」
「え!?」
「何も知らない楓達は幸せだよね。警部さん…。僕が歪んでるって言うなら……」
必然と、双子の兄の梓も歪んでることになるんだから――
そう言って笑う斎に、ぞくりと身体が震える。
「ま、何にしても…怨霊とかお化けとかいねぇってことが――」
校門を出てすぐのときだった。
チキチキチキ…
「「「え?」」」
「な… んの音だ…?」
斎が一歩、踏み出した
キキィ゙ーーーッ!!!
トラックの急ブレーキの音、
ズシャァァア!!
そして何かがぶつかる音に青ざめた。
「野崎ーーッッ!!」
チキチキチキチキ…
「ああ… 梓、そこに… いた、んだね…」
頭から血が流れるも拭う力もなく、斎は朦朧とする意識の中、震える… 血だらけになった手を伸ばす
警部達も見た。斎が手を伸ばす先に――…
『い… つき…、
みーぃつけた…』
斎と瓜二つの同じ顔をした… 野崎 梓が凍りつくような瞳で斎を見ているのを――…。
すぅーっと消えた梓に背筋が寒くなった瞬間だった。
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