恐怖の幕開け

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――… ザーッ… 降りしきる雨を窓ごしに見つめる悲しみを含んだ瞳… きゅっと唇を噛み締める梓の姿がそこにあった。 「…警部、彼が野崎 斎の双子の兄です」 壁に隠れて、ぼそっと小声で伝える部下に警部は頷く。 「双子か…。確かに顔は瓜二つだがな。弟の復讐……って線も、踏まえて近辺を探れ。何か、おかしな動きがあればすぐに報告しろ」 「わかりました!」 二人が踵を反し、その場を後にした途端… 「…………」 何も映さない瞳で梓は振り返る。先ほどまで警部達が立っていた場所に視線を移した。 「…警察なんて、いてもいなくても同じだよ… クスッ、結局は止められないんだから」 目を細めるその先に映るのは――… 楽しそうに笑いながら今井と廊下を歩く生徒会だった‥。
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