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「はっ…ぁ…っはぁ…」
死に物狂いで走っていた今井は後ろを振り向いた瞬間、何かとぶつかった。
そこには、斎の姿。
そして引きずるのは目を見開いたままの生首、ずるずると引きずる彼の目は生気のない斎――…
『………』
「ひっ…ー━━!!!!」
な、なんで!? だって、さっきいたのは…っ
「………あ、ぁッ!」
襲う恐怖を前に腰を抜かした今井は這いずって逃げようとする。
しかし――…
何かに当たった。
顔を上げると、見下ろす悲しみを含んだ瞳――
「ぅあ゙ぁあああああああああああ!!!」
手に持つカッターを振り下ろされそうになったそのとき…
「そこまでだ!!!野崎 梓!!」
パッと電気がつき、暗かった廊下に電気が行き渡る。そこには部下を従えた警部と、何人かの教師に…
悲しそうな表情をした三つ子がいた。
「あのね…
もう、やめよう? あんちゃん…。俺達ね、気づいてたんだ…」
悲しげな目を伏せた楓に梓は首を傾げる。
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