千年前 1話~4話

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「…」 一人残された少年 こんなことは日常茶飯事 もう慣れている しかし 泣いてしまう 「…腹減ったグスッ」 夕暮れの道を一人歩く 「母ちゃん!今日のご飯何?」 「今日はすき焼きだよ」 「やったー!」 どこの家庭でもありふれた光景 だかこの少年には一生現れることのない日常 ガラガラ… 「おう!遅かったな!」 この男の名は志村良庵 親のいないこの少年のゆういつの身内である 「どっかのバカが遅いせいで飯が冷めちまった」 「また雑炊か…」 「なんだ嫌か?」 「別に…」 「嫌なら食わんでよろしい」 ヒョイと少年の茶碗をとりあげる 「あー!!待て!!食う!!文句なんてない!!」 「ならよろしい」 なんにもない長屋に住む二人 棚どころか座布団もない 障子はボロボロ 水はかろうじて出る 「今日は何した?鬼ー」 「別に…」 「あっそ 可愛いげのねぇガキ」 ふんとソッポを向く ガラガラ… 「邪魔をする」 「?」
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