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ブルーの車のエンジンを止め、坂の下にある駐車場を見渡す。
静かな車内に雀の囀りが響く。
ルームミラー越しに見える駐車場の看板『ハマダパーキング』は、子どもの時に見慣れた『濱田駐車場』から、大きく、綺麗に塗り替えられていた。
明るい黄色が目に眩しい。
車内の暖房が次第に消え、ピリッとした冬の空気が忍び込んできた。
助手席に畳んでいたマフラーを首に巻き、コートに腕を通す。
最後にリップを塗り直し、髪を整え、じっとミラーの自分を見つめた。
「よし」
小さく声を出し、鞄を掴んで勢いよくドアを開けた。
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