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『あなたもちょうだい。
一つだけ。』
「な、何をだ。貴様は誰だ。」
声が出なかったので、彼はねっとりとしたその声に心の中で叫んだ。
『私ね・・・あの人と仲直りしたいの。』
『あの人のところに行って、仲直りをしたいの。でもね・・・』
『体が足りないの・・・まだ。』
不意に笹岡の背中に、ぞわりとしたものが張り付いた。
『この部屋で、私はあの人と喧嘩をした。
あの人は、怒って私を殺した。
持ち帰った私の体を、見つからないように切り分けた。』
『両腕は土の中に
両足は海の底に
頭は焼かれて灰になり
体はコンクリートで固められ』
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