仲直りーーホテルの都市伝説

5/10
前へ
/10ページ
次へ
笹岡は、適当に「部屋の空気が澱んでいる」だの「何かに見られている気がする」だの書けばいいと思った。 それよりも、このベッドは最高だーー体が沈みこむこの感覚はーー沈み・・・・・・!! 笹岡は、愕然として目を開けようとした。 しかし、何故か目を開けることができなかった。 体は、いつまでも沈みこんでいく感覚に包まれたままだった。 深く深く、さらに深くーー 笹岡は起き上がろうとして、体が動かないことに気づいた。 焦る彼の耳元で、 『ちょうだい。』 と甘い声がした。 女性の声だった。 笹岡は、ギクリとした。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加