あなたとなら

自分

ギャアギャア言っているくりちゃんに冷静に突っ込みを入れる先輩がおかしくて、和美たちと笑う。

そして、ひとつだけ気付いたことがある。

高村先輩の好きだった人は、きっと美幸さんだ。

美幸さんを見る目が他の人を見る目と違う。

確かに綺麗だし、笑顔が素敵で、スタイルだって抜群だ。

好きになるのもわかる。

高村先輩の好きなタイプはこういう人なんだ。

きっとこの二人がカップルになったら、みんなが羨むくらい素敵なんだろうな。

「私たち、もう行くね」

和美に言われ、手を振って別れる。

私は再びベンチに座って三人のやり取りを見ていた。

くりちゃんが男の人だったのにはびっくりしたな。

だけど、また会えて嬉しかった。

昔のくりちゃんは、髪の毛が少し長くて、小っちゃくて、ずっと女の子だと思ってた。

男の子とサッカーとか、野球をするよりも、私たちと遊んでいるような子だった。