自分

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「なんか最近わかんないんだよね」 先輩が首を傾げる。 「先輩がわかんないなら、私はもっとわかんないじゃないですか」 「だよな・・・ 栗原にとって、俺ってどんな感じ?」 くりちゃんは少し困った様子で答えを探していた。 「話しかけ辛いし、笑わない人。 はっきり言って怖いイメージが強い」 「よく言われてた」 先輩も認めているみたい。 だけど私が思っているのとは違うイメージ。 男の人と面識が無かったから、話し辛いのはしょうがないけど、人見知りが無かったら、普通に話しやすいんじゃないかと思う。 「先輩の昔のことを聞いて信じられないです」 「あと、彼女が居ないのに驚きだった」 美幸さんが入ってきた。 そうなんだ。 でも、それは美幸さんを思わないようにってことだったんじゃないのかな。 自分なりに解釈してみる。 でも、これで二つ分かったことがある。 なんで高村先輩と赤塚先輩にみんなが近寄らなかったのか。 屋上に誰も来ないのか。 それは先輩達が怖いから。 有名な人だったんだもんね。
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