先生

9/13
前へ
/988ページ
次へ
走って戻ってきた美幸さん。 しかも、凄くニヤけてる。 椅子に座るなり、携帯を渡される。 ジェスチャーで電話をしろとやっている。 「え?」 困っていると、先輩達を連れて外に出てしまった美幸さん。 「ちょ、ちょっと・・・もー」 追いかけながら、電話を耳に当てる。 「もしもし・・・」 相手も、もしもしと返してきた。 気だるそうな、かすれた声。 もしかして寝起き? 「もしかして、寝てましたか? すいません、切りますね」 相手が誰だか分からないまま切ろうとする。 「待って、切るなよ」 と、止められた。 「今、何時?」 電話の相手が聞いてくる。 「今・・・一時半くらいです」 「うん」 なんだか寝ぼけているようです。 「あんた、誠の友達だろ?」 「あ・・はい」 「学校は?」 痛いところをついてくる。 「友達に強制的に連れて来られました。 遊園地は苦手です」 「遊園地に居るんだ」 短い会話を繰り返す。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1094人が本棚に入れています
本棚に追加