先生

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「えーー?」 どうしよう・・・三人が居ない。 「どうした?」 「三人が居ないんですけど・・・どうしよう。 迷子は嫌だー」 泣きそうになる。 「何で電話してるか分からない挙句に迷子なんて・・・ もう帰りたいよう」 「・・・・・」 相手は黙ったまま。 何、この状況? 「迷子のアナウンス流れたらどうしよう。 あ、私の携帯で電話すればいいのか。 あー、でも電話してるし」 一人で慌てる。 少しの沈黙の後。 「・・・夢叶?」 電話から私を呼ぶ声がする。 「・・・え?」 早足だった私の足が止まった。 「夢叶なのか?」 「しょ・・・・」 翔也先生・・・? 心臓がもの凄い速さで動き出す。 いきなり過ぎて、思考回路がショートしそうになる。 「なあ・・」 何かを言いかけた先生の言葉をさえぎろうとする。 「ひ・・人違いだと思います。 あの、切りますね」 「待て!」 切ろうとすると、大声で止められる。 体がビクついた。
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