1094人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前何やってんの?」
上から声が降ってくる。
「私は石です。
話しかけないでください」
先輩に言う。
こんな真っ赤な顔を見られたくない。
「ついに壊れたか?」
逆の頬も冷やす。
「熱でもあんの?」
先輩がしゃがみ込む。
「いえ、何でもないです」
先輩がおでこを触ってくる。
「大丈夫みたいだな」
「大丈夫なんです」
「お前今日おかしいぞ」
先輩にジッと見られる。
「はい、すみません」
「何があった?」
恋をしています。
なんて言えるわけない。
「疲れました」
そう逃げた。
「体力無いな」
先輩がため息をつく。
「明日から体力づくりします」
朝早く起きて走ろうと思う。
「とりあえず行くぞ」
そう言われ、前を歩く先輩の後を追いかけた。
最初のコメントを投稿しよう!