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美幸さんたちと合流して、観覧車の列に並ぶ。
「四人で乗るから」
先輩が言った。
「そうなの?」
「だって、弟と一緒に観覧車って嫌だよ。
光輝にも振られたばっかりだしね~」
美幸さんが先輩を横目で見て言った。
「私と美幸さんで乗りましょう」
「なんで光輝先輩と二人で乗らせるんだよ・・・俺殺されたらどうすんの?」
くりちゃんが慌てる。
「先輩一人で乗りますか?」
「乗らねえよ」
先輩が私のおでこを叩いて言った。
「痛い・・・」
「四人で乗れば問題が解決するでしょ」
美幸さんが言って納得する。
順番になり、観覧車に乗る。
ゆっくりと高くなっていくのを感じて外の景色に目をやった。
「恋人同士で乗ったら最高なんだけどね」
美幸さんが言った。
「それだったら夜でしょ」
くりちゃんが言った。
「綺麗なんだろうな~」
夜景を見下ろすって、想像しただけでもロマンチック。
「観覧車に乗ったままキス。
憧れるな~」
美幸さんが目を閉じて言う。
きっと好きな人と二人なら、どんなことも楽しいんだろうな。
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