恐怖

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足の力が抜けたのに、髪の毛を引っ張られていて膝をつくことが出来ない。 「高村君の彼女になりたい?」 「私、好きな人が居ます」 痛みを堪えて言う。 「何ふざけたこと言ってんの? 生意気すぎんだよ」 二人がお腹と足を何回も蹴ってくる。 痛くて涙が出た。 「高村君と一緒に居なくなるまで、毎日してあげるから」 「誰かに言ってみろ、和美って奴に被害が出るからな」 そう言い残し出て行った。 涙が止まらなかった。 痛さと怖さに包まれる。 毎日・・・ こんな事が続くの? 私がいけないのかな・・・ 何でこんなことになってるんだろう。 暫くそこから動けなかった。 一時間目が終わり、教室に帰る。 みんなの目が怖い。 コソコソと陰口を言われているみたいだ。 でも負けちゃ駄目だ。 私は悪い事をしていないんだから。 そう言い聞かせ、授業に出る。
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