1095人が本棚に入れています
本棚に追加
思った以上の痛みに目をおもいきり瞑る。
いーーたーーいーー!
大声で叫びたい。
これじゃ、バイトなんて無理だ。
また休まないといけないと思うとため息が出る。
「抱っことおんぶ、どっちが良い?」
全く動かない私に先輩が口を開く。
「車いすで」
「取りに行くの面倒くさいからどっちか選べ」
重いし、人に見られるのは恥ずかしい。
だから車椅子がいい。
「あんたのこと何回も運んでるし、遠慮すんな」
先輩が言った。
そうだった。
私が眠っているときにベッドに移動してたことがあった。
先輩は重いのに運んでくれたんだよね。
「あんた少し軽くなったね」
って、私の体重も把握してる。
恥ずかしい。
ため息をついた先輩は、強制的におんぶして歩きだした。
「先輩痛いです」
お腹の部分と、先輩の手が当たっている足の部分が痛い。
「我慢しろ。
なんなら走ろうか?」
この人は鬼だ。
「嫌なら大人しくしてろ」
私は人に見られている恥ずかしさから、先輩の背中に顔を付けて目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!