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「本当にバカなやつ」
質問が終わると、先輩が言った。
前に体重をかけ、膝に肘をつけてこっちを見ている先輩。
こんなにカッコいいもんね。
みんなが、私が一緒に居るのをおかしいと思うのは当然。
先輩に振り回されてるんじゃなくて、私が振り回してるんだと思う。
先輩は優しすぎるから、嫌な顔の一つもしないしね。
ちょっと待って・・・
だったら、相手が翔也先生だったらどうなんだろう?
私が一緒に居るのはおかしいんじゃないのかな?
今更になって気付くなんて、本当にバカすぎる。
ペチッと音がして、おでこに痛みが走る。
「痛っっ」
おでこに手を当てて先輩を見る。
「また何か変な事を考えてるだろ」
先輩は何でも見透かす力があるんだった。
先輩の真っ直ぐな視線から目を逸らす。
前を通る女の人が、先輩を見ている。
目に留まるよね。
座る場所を間違えたみたい。
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