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「俺、冬からあんたの事知ってたよ」
「え?」
視線を先輩に移す。
「裕太の好きな人の友達ってだけじゃなくて、結構目に入ってきてた。
あんたってドジだし抜けてるし、見つけては笑わせてもらってた」
先輩は私の事を知ってたんだ。
「よく窓の外を見てた事も、中庭で昼飯食ってる事も知ってた」
全然知らなかった。
「でも、あんたは俺のこと知らなかったでしょ?」
「・・・すみません」
「他人に興味とか無さそうだもんな」
先輩は何でも分かるんだ。
「裕太に告白させたのは俺なんだよね・・・」
「・・・そうなんですか?」
「うまくいくのは見て分かってたし、無理やりね」
「何でですか?」
「あんたと近づけると思ったから」
「・・・」
私は何も言えなかった。
「あの二人が付き合えば、強制的にあんたが居るわけでしょ」
頭が良いって凄い。
「あんたが、ゆりの友達だったってのは意外だったけど」
先輩の視線が床に移る。
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