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外に出ると、車が止まっているがタクシー乗り場は見当たらない。
「嘘つきやがったな」
先輩が言うと、
「誰が嘘つきだって？」
壁に寄りかかっていた先生が言った。
帰ったわけじゃなかったんだ。
先生は車のドアを開けた。
「乗れよ、送ってく」
そう言った。
和美は大喜びで乗り込んだ。
「どういうつもりだよ」
先輩が睨む。
「いいから乗れ、他の人の邪魔だ」
先生の迫力も負けてない。
「怪我人は前に乗れ」
私は助手席で、シートを少し倒してもらった。
先生の車。
いい香りがする。
助手席なんて乗るの初めてだから、ドキドキするよ。
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