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「歌ってる・・・」
本当に歌ってる。
凄い!!
初めて聞く歌声と迫力に圧倒される。
瞬きさえも忘れて画面を見ていると、突然画面が真っ暗になった。
座っている先輩のほうを見ると笑っている。
その隣に先生がしゃがんでいて、手にはリモコンが握られている。
先生がテレビを切ったんだ。
「見てたのに・・・」
先生に言う。
「本人の前で見るなよ」
「凄い集中力だったな」
先生と先輩が続けて言った。
「本当に歌ってて、凄くてびっくりした」
先生に言う。
「それが仕事だからね・・・」
先生がリモコンを置く。
ここに居るのは、先生だけど先生じゃない。
翔というテレビの中で活躍している人で、すごく遠い存在に感じた。
私はこんなに凄い人を好きになってしまったんだ。
身の程知らず。
そんな言葉が頭の中をよぎった。
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