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「言わないなら、こいつを渡さないから」
「夢叶はお前のもんじゃない」
「あんたのものでもないはずだけど」
この二人は、仲が良いのか悪いのか分からない。
私は赤塚先輩を見る。
ため息をついている先輩と目が合った。
先輩に助けを求める。
「はい、ストップ。
ゆめちゃんが困ってるだろ」
「こいつがいけないんだろ」
「怪我人を振り回そうとしてるのが悪い」
再び始まる。
「じゃあいいよ。
俺が連れて帰る」
赤塚先輩・・・それは違うと思います。
案の定、いがみ合いは三人になって、私はそれを見ているだけだった。
だけど。
なんだか、だんだんムカついてきた。
「一人で帰るし、ずっと続けてればいいよ」
私はそう言い切った。
全身が痛くて言うこと聞かないし、迷惑ばっかりかけてるし、イライラする。
何かを言おうとした高村先輩を睨んで阻止する。
「何も聞きたくない」
人を睨んだのは、これが初めてだった。
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