キス

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赤塚先輩が先に隣の部屋に入っていく。 「俺と張り合ってみる?」 先生が勝負を持ちかける。 「走りでは負けたんで、次は勝ちます」 先輩が言った。 この二人は勝負が好きみたい。 未成年とお酒の強さを勝負するのはどうかと思うけど・・・ 「あんまり飲まないって言ってたのに」 「この勝負に俺が勝てばいい話だ」 先生の言っている意味が分かりません。 明日二日酔いにならないといいけど。 そこから二人は、本日二回目の対決を始めた。 と言っても、話をしながら飲んでいるだけ。 二人とも楽しそうだから、私は見守るだけ。 喧嘩にならないように見張ってないと。 この二人は、いつ睨み合いになるか予想がつかない。 だけど・・・ 「この勝負に終わりはあるのですか?」 時間は十時を過ぎている。 二人とも全く変化が無い。 眠いんですけど。 「こいつ降参しないんだもん」 先生が先輩を見る。 「分かった。 私の勝ちってことでもう寝ましょう!!」 「眠いんだ」 先輩が笑う。 「じゃあ、ビール瓶を二本ずつラッパ飲みしてください」 「何の罰ゲームだよ」 先輩が言って、二人は笑った。
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