本音

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私の苦手なものの一つ。 砂浜を歩くこと。 高村先輩に支えられていても、上手く歩けない。 そんな私に、高村先輩が笑う。 「こっちは必死なんですけど」 「それでよく海が好きだって言ったね」 「好きって言ってない」 「じゃあ、嫌いなんだ?」 「ううん、大好き!」 「あんた、やっぱりアホだ」 高村先輩と私の会話に、赤塚先輩が笑っている。 「先輩も笑ってないで、なんとか言ってくださいよ」 赤塚先輩に言う。 「なんとか!」 赤塚先輩の答えに、私の中の何かが切れる音がした。 「うぉりゃーー!!」 支えていた先輩から離れ、二人に砂を投げる。 「なにすんだよ!?」 「っバカ、やめろ」 私は止めない。 いっつも笑いやがって! 私の事をバカにした罰だ!!
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