本音

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青空に浮ぶ白い雲。 触れるわけがないのに、手を伸ばしてみる。 その手が握られた。 「先生・・・」 「車から見てたけど、面白すぎて集中できないし、また暴れる前に連れ戻しに来た」 そのまま、引き起こしてもらう。 疲れてヘロヘロな私に、 「無理すんなって言ったのに」 と、優しい微笑をくれる。 「先に戻ってるから」 と二人に告げ、先生が私を抱き上げた。 お姫様だっこ!?。 「ばれたらどうするんですか?」 下ろしてとお願いしても、聞く耳をもってくれない。 近くに設置されているシャワーで砂を流し、隠れて着替える。 赤塚先輩の選んだというワンピース。 普段着ないワンピースに、違和感を感じながらも車に戻る。 「んー、駄目だな」 先生が言った。 やっぱり似合ってないよね。 こういうのは、可愛い子が着るものなんだよ。
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