本音

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「高村先輩は、カッコいいしモテます。 意地悪だし、人をバカにするし、悪魔だけど・・・優しいです。 だけど、初恋が衝撃的すぎました」 先生、あなたが居たからです。 「いつでも近くに居て、私の事を真剣に考えてくれる先輩を好きになれたら、ラクだったと思います。 だけど、どうしても駄目だったんです・・・先生の事が頭から離れなくて」 「あんなになった原因を作ったのは俺だよ?」 「いっぱい怨んだし、許せなかった。 だけど・・・忘れられなかった」 私は俯く。 「俺が家庭教師を辞めた理由、聞きたい?」 「えっ、受験・・・」 先生を見る。 先生の視線は海を見たままだった。 「夢叶を好きになって、一緒に居るのが辛くなったんだ。 あと、仲間に女癖が悪いのが居たから、夢叶に手を出されないようにって」 そうだったの? 「あんな事になるなら、ちゃんとしとけば良かった・・・」 先生が、目を閉じて下を向く。
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