本音

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先生は、自分を責めている。 ずっと苦しんでいたんだ。 私は、先生に何をしてあげれば良いの? どうすれば、先生の中から罪悪感を取り去る事ができるのだろうか・・・ いくら考えても、答えなんて出てこない。 「過去は、いくら頑張っても変わらないんです。 でも忘れることもできない。 だから引きずるより、これからを後悔しないで生きる事を考えましょう」 お母さんが言っていた事を思い出しながら言ってみる。 「私は後悔ばっかりしてますけど・・・ なんで後の事を考えられないんですかね? 学習能力が無さすぎるんでしょうね。 先輩には、バカとかアホとか、数えきれないくらい言われてるし」 大きなため息を一つ。 「今日こそは、先輩をギャフンと言わせたかったのに。 結局勝てないし・・・ どうすれば勝てるんだろ」 先生は笑いをこぼす。 「あ、笑った。 どうせ、先生も私が勝てないと思ってるんでしょ?」 「夢叶はやっぱり良いな」 先生が言う。 何が言いたいのかわからないから、首を傾げた。
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