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先輩は、先生を煽るだけ煽って、プレッシャーをかけて隣の部屋に入って行った。
「テンション高い奴が来るから、今のうちに寝とく」
和美の事だ。
この、嫌な空気をどうしてくれるんだよ。
「やっぱり、油性ペン買ってくれば良かった!」
ちょっと後悔。
「油性ペンで何しようとしてたの?」
「先輩の目の上に目を書いてあげようと思ってたの。
それだけじゃ気が済まないから、口の横にヒゲ書いて、なんちゃって中国人にする」
「面白い!」
赤塚先輩からお墨付きをもらった。
「先輩、買いに行こう」
「そんな表情もできるんだね」
赤塚先輩が言う。
そんな表情とは、どんな表情?
「俺らが振り回してる時って、こんな顔してるじゃん」
先輩が変顔をする。
「そんな顔したこと無いですけど!!」
「してるって」
大笑いの先輩。
なんか腹立つ!
「先輩には眉毛繋げて、カモメにしてあげます」
「それは有難くお断りしとく」
「いや、お断りはお断りです」
すっかり先生のことを忘れていた。
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