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二人は濡れ髪のまま、飲み物を買いに自販機へ。
「今日は私が奢る!」
私がそう言ったら和美がびっくりしていたが、
「じゃあ、遠慮なく」
と、嬉しそうに言ってきた。
「私、カフェオレ」
「じゃあ、私も」
自販機に先客が居る。
「おはよ」
声をかけてくる。
「・・・おはようございます」
「何、警戒してんの?」
だって、リーダーさんだし、苦手だし。
昨日、いっぱい言っちゃったしね・・・気まずい。
「みんな起きた?」
「まだです」
私は答えながらお財布の中の小銭をあさる。
「俺のこと嫌いでしょ」
「普通です」
私は顔を上げてそう答えた。
リーダーさんは少しだけ笑みをこぼすと、二人にカフェオレを手渡してくれた。
「昨日のお詫び」
そう言い残し、消えて行った。
「・・・良い人だったんだ」
「ゆめ、奢ってくれる人は全員良い人になるのか?
簡単に誘拐されるタイプだね」
和美は呆れている。
「よし、三人にコーヒーでも買って行こう」
足取り軽く部屋に戻った。
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