大嫌い

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「翔さん、呼んでくる?」 先輩が言った。 「起こさないでほしいので、このままで。 先輩も寝てください」 「翔さん、寝てないし、俺も帰るまで寝ないから」 「なんで?」 「普通そうだろ」 いや、その普通が分かりません。 「心配で寝れないだろ・・・好きな女だったら、なお更な」 好きって・・・。 「先輩は、いつからそう思ってたんですか?」 かなりの沈黙の後で、先輩が言った。 「たぶん、目で追うようになった時には、もう好きだったんじゃない?」 疑問系ですけど・・・。 「気付いたら好きだった。 確信したのは、ゆりの話をした時くらい」 「そんな前から・・・」 全然知らなかった。 「でも、ライバルが翔さんだとはね・・・」 「翔也先生が、有名な人になってたとは、思ってもいませんでした」 私がそう言うと、だろうねと、言った。 そして、会話が途絶えた。
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