大嫌い

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点滴は全然減らない。 早く無くなれ~~!!! 念じても何も変わらない。 だから、もう諦めた。 携帯で時間を見る先輩。 「あと二時間くらいかな」 と、私に教えてくれた。 「問題児ですみません」 「今に始まった事じゃないだろ」 先輩がそう答えた。 コツコツと、靴の音がする。 「翔さん来たみたいだな」 先輩が言った。 先生が来ると、先輩に車の鍵を渡した。 「寝て来い」 先輩は鍵を受け取り、そのままカーテンの外に出て行った。 椅子に座る先生。 「すいませんでした」 「本当にな」 先生が言った。 「大したことなくて良かったけど、マジ焦った」 あんまり覚えてないんだけど。 「熱も少し下がったみたいだけど、当分は安静にしてろよ」 「はい」 「もう少し遅かったら完全に飲んでたけど、飲む前でよかったよ」 先生が言った。
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