家族

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目が覚めて、抱きついたままの手に少し力を入れる。 それに返すように、相手も強く抱き締めてくれる。 「・・・!?」 意識がはっきりしてくると、分かった。 和美じゃない!! 腕枕に、はだけた胸元。 「朝から大胆だね」 先生の声。 なんで・・・!? すぐに離れると、回りを見る。 和美は赤塚先輩の隣の布団で寝ている。 「俺の布団が無いんだよ」 先生が起き上がって言った。 布団は4つだけど、人は5人だもんね。 「ここ使ってください。 私向こうに行きます」 隣の部屋を指差した。 「病人のくせに」 先生は私を再び布団に戻す。 「先生寝れないじゃん」 「ちょっと寝たから良いよ。 昼寝すれば良いし」 先生が伸びをしながら言った。
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