家族

7/26
前へ
/988ページ
次へ
「先輩、和美の迎えに行きたい」 先輩の目を真剣に見て言った。 「俺も行くから」 先輩が言った。 そして、続けた。 「どうせ、駄目だって言っても行くんだろ」 私は頷いた。 あと一時間ちょっと。 先輩がタクシーを頼みに行ってくれて、私はその間に着替える。 学校が終わって来れば、この時間にここには着かない。 昨日の夜にメールした時は普通だった。 問題が起こったのは今日だって分かる。 赤塚先輩に打ち明けたとか? もしかして振られちゃった? でも、先輩はそんな事で振るような人なのかな? 頭の中でいろんな事を考える。 先輩が戻って来て言った。 「今日、和美ちゃん学校休んだみたい。 裕太が連絡取れないって心配してた」 赤塚先輩に電話してくれたんだ。 だったら、なおさら心配だよ。
/988ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加