家族

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駅に着くと、椅子に座って和美を待つ。 まだ時間があるから、何か飲むことにした。 「先生、何か飲みますか?」 私は立ち上がる。 しかし、先生は私の肩を押して座らせて、自分で自販機に行ってしまった。 「今日はこれにしとけ」 先生は私にスポーツドリンクを渡してきた。 タクシー代も払ってくれた。 先生は、私達にお金を使わせないでいいように、自分で来たのかもしれない。 なんだかんだ言って、先生はお金を払ってくれる。 先生は、そんなにお金持ちなのかな? 東京はいろいろ高いイメージがある。 先生の生活は大丈夫なのだろうか? 旅館のお金だって高いはず。 「先生、いつか絶対にお金返すから・・・」 「夢叶が気にする事無いから」 先生はそれで話を終わらせようとする。 「病院のお金だって、全部先生が払ってるでしょ?」 「いいの、気にしない。 夢叶より金持ちだから。 それに、貯金が趣味だから」 「こんなに使ったら、意味無いじゃん」 「使うための貯金もしてるから大丈夫」 先生は気にするなの一点張りだった。
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