家族

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駅に、女性のグループが入って来た。 「キャー、翔じゃん!」 「マジマジ? うわ、超かっこいいんだけど!」 口々に言っている。 先生は急いで来たからなのか、今日に限って帽子もサングラスもしていない。 しかし、先生は慌てる様子はない。 「駅は静かにね」 作り笑いでそう返す。 握手やサインにこたえている。 「一緒に写真撮ってください」 一人の女性に言われる。 「写真はパス! 素の俺だし、髪の毛なんてヤバイでしょ」 前髪をかまう先生。 それでも良いという女性達。 「プライベートでここまでサービスすんの初めてなんだから、有難いと思ってよ。 今日、機嫌良くて良かったな」 先生がそう断った。 女性の視線を感じる。 「あ、地元の知り合い。 友達待ってんの」 先生が私の代わりに答えてくれる。 すいません、人見知り炸裂中です。
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