家族

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先生に電話すると、すぐに来てくれた。 「やすが来てくれたから、コンビニ寄って行こう」 「飲酒運転」 「あいつ、あんまり飲めないから、今日は飲んでない」 だから、前もコンビニに行ってもらったんだ。 安心して車に乗り込む。 「夢叶ちゃん大丈夫?」 運転席から声がする。 「今日、心配するのは私じゃないんですけど」 「声かけたくなる顔してる」 「・・・そんな酷い?」 私は和美に聞く。 「さっき消えそうだって言ったじゃん」 「もしかして、私お化け?」 和美が頷き、ショックを受ける。 「赤いマジックでほっぺ赤く塗ろうかな・・・」 「そのネタ好きだな」 先生が笑う。 私は白と黒のマジックの使い方を和美に言った。 「その三人で町歩いたら、笑い取れるよね」 「通報されて終わるでしょ」 和美が笑いながら言った。 「和美はどこに書いてほしい?」 「誰も書いてほしいなんて言ってないし!」 「遠慮しないでいいよ」 「してない!!」 先生とやすさんが笑っている。 私がシートに体を預けると、先生がこっちを向く。 「大丈夫そうだし、戻るまで寝たら?」 「立ち直ったから、寝てていいよ」 和美も言った。 だから、私は目を閉じた。
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