家族

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車のドアを閉める音で起きた。 車の中は空っぽで、前にある建物で旅館に着いたことが分かる。 私も降りようとドアに手を伸ばしたとき、いきなりドアが開いた。 行き場を無くした手、そのまま車外に倒れる。 「あっ、ぶねー」 先生が見事に受け止めてくれて、落ちずに済んだ。 「落ちるかと思った・・・」 私の心臓がバクバク鳴っている。 「焦ったー」 先生がそう言って、私を地面に立たせてくれる。 「ゆめ、びっくりさせないでよ」 和美が心臓辺りを抑えている。 「すいません」 「駄目だ、夢叶危なすぎる」 先生が私をおんぶすると、そのまま部屋に帰る。 そのまま布団に直行。 一つの布団に和美と寝る。 そして手を握った。 「それ、俺もやりたい」 先生が言った。 「ゆめとの時間は邪魔したら駄目です!」 和美が言うと、先生は部屋から出て行った。 「ゆめ、体凄い熱いけど、本当に大丈夫なの?」 「私の心配より、自分の心配が先でしょ!?」 「いや、ゆめの心配のほうが先でしょう」 「それじゃあ、暴露大会にならないじゃん」 そっかと笑う和美。 「いいよ、話して」 私がそう言うと、和美が静かになった。
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