家族

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「また同じことの繰り返しみたい・・・」 同じこと。 それだけで分かる。 「義理のお父さん?」 「ううん、いとこのお兄ちゃん」 いとこの所に居候してるんだもんね。 「今朝いきなり部屋入ってきてさ・・・わけも分からず」 「だから、赤塚先輩と連絡したくなかったんだ」 「うん、もう無理だと思う。 私が耐えられない」 「別れるの? 和美はそれで良いの?」 「だって・・・」 和美が泣き出す。 「先輩は、和美の考えているような人じゃないと思う。 ちゃんと分かってくれる人だと思うけどいいの?」 先輩が、どれだけ和美を好きか分かっている。 和美は泣いてたままだ。 「家族ってなんなんだろ」 少しして、和美がボソッと言った。 「私も信じてもらえなかったしね・・・ でも、私は両親が好きだよ」 「・・・うん」 「でもね、今私の一番の家族は、和美だと思う。 私は和美を信じてる。 辛くなったり、何かあったら、私の所に来てよ、いつでも待ってる」 「・・・・」 「なんてね。 本当は、いっつも怖いんだ。 和美に先輩に先生・・・私から離れていく夢をよく見るの。 おじいちゃんもおばあちゃんも親戚も、みんな私を嫌ってるから、他に頼れる人なんて居ないんだ。 だから、今私を支えてくれてる人が居なくなったら・・・」 どうなるんだろ。 どうしたら、心を繋ぎ止めておけるんだろう。
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