家族

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私はいつの間にか寝ていたみたい。 熱くて目が覚めた。 「大丈夫か?」 先生の心配そうな顔が目に入る。 隣に居たはずの和美が居ない。 起き上がろうとすると、先生が起こしてくれる。 「熱高いから、解熱剤飲んで」 薬と水を渡される。 「あっつい」 「高村が氷枕持ってくるから。 汗かくのは、良くなる証拠。 もうちょっとの我慢な」 水をいっぱい飲んで横になる。 頭がボーっとする。 目を開けているのも辛い。 氷枕と冷却シートの完全装備で再び目を閉じた。 次はガタガタという物音で起きた。 先生が何かをやっている。 「何してるの?」 「夢叶、おはよ。 ちょっと出かけてくるから、高村達と留守番頼むな」 先生はそう言うと帽子を被って出て行った。 先生は、ライブを本当にやるつもりらしい。 そのためにメンバーさんと出かけたんだって、先輩が教えてくれた。 「俺も和美ちゃんも、翔さんに頼まれたことあるから、何かあったら呼んで」 先生のお手伝いをする二人。 私は大人しくしていることが仕事! 食事、水分、薬をちゃんと飲んで一日寝ていた。
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