家族

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夕食の時間になり、先生に呼ばれる。 断ったが、強制的に隣の部屋に連れて行かれることに。 4人しか居ない部屋。 高村先輩と、ヤスさんが居ない。 私が座ると、和美が隣に座った。 「今、裕太迎えに行ってる。 今日、言おうと思うんだ。 振られたら振られたでしょうがない!」 「いや、そうなったら私が一発殴ってやる!」 「冗談に聞こえないんだけど」 「冗談じゃないもん」 「ゆめ、裕太に手が届く?」 「あ、そっち? そっちの心配なんだ」 和美が笑った。 そして、ありがとうと言った。 三人が来ると、夕食の時間になる。 大好きな天ぷらも、今の状態じゃ食べたいとは思わない。 お粥を食べて、お茶を飲む。 お粥も飽きてきた。 他のものが食べたい。 さっぱりしたのがいい。 減らないお粥を眺めながらそう思っていた。
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