家族

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みんなの視線を感じて、お粥から顔を上げる。 全員の視線が私に向いている。 あれ、なんで? 「今、聞いてた?」 「目を開けたまま寝てないだろうな?」 高村先輩と先生に質問される。 「すいません、聞いてませんでした」 全く耳に入ってこなかった。 「ここに居る意味あるの?」 リーダーでもヤスさんでもない人が言った。 「別に居たくて居るわけじゃないけど」 喧嘩腰に言う。 「夢叶ちゃん、今から大切な話をするから聞いててもらえる?」 ヤスさんが言った。 私に対して、唯一優しく接してくれるメンバー。 仕方なく正座して、話しを聞く体勢になった。 そこから、ライブの話になった。 思っていた以上に大掛かりなライブになるみたい。 社長やスタッフには連絡をしてあって、明日と明後日にかけて準備に追われると。 「明日、チケットをばら撒いてから、明後日にはライブ。 今日、デザインしてもらったやつがチケットになるから」 先生が二人に頼んだやつだ。 「で、段取りはこれね」 ヤスさんが、紙を二枚ずつ配る。 「今回は、肩の力を抜いていくつもり。 お前らも、今回のライブの協力者だってことを忘れるなよ」 先生が言った。 「短時間でここまでするって凄いね」 有言実行って、このことだ。 先生は凄い!
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