危険人物

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「私、後で行くから先に行ってて」 奈美さんが他の3人に言った。 「あ、くりちゃん・・じゃなかった、栗原誠君が居るので、合言葉言って渡してもらってください」 「誠君居るの!?」 興奮気味のみんな。 「本当に誠君の友達なんだね」 「あ、小学生の時に一緒に遊んでた友達です」 「だから、くりちゃん?」 「男の子だって知らなくて、再会した時にびっくりしました」 奈美さんが笑った。 「私も仲間に入れてよ。 話し聞きたい」 もう一人座った。 「優子って呼んでね」 「じゃあ、私達は行ってくる。 また戻ってくるね」 二人はチケットを買いに行った。 「三人なら、時間が経つのも早いでしょ?」 優子さんが言った。 「一人より三人、楽しく仲良く!」 奈美さんも言った。 優しくて、有難くて、涙が出そうになった。 「ありがとうございます」 「泣くと化粧取れちゃうよ?」 奈美さんが笑って言った。 出会いって、いつあるか分からない。 私にとって、この出会いは、大切な出会いだった。
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