危険人物

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小さな冷蔵庫から、ウーロン茶を二本出した優子さん。 グラスを三個出す奈美さん。 「ほんと、なんなの、あいつ」 奈美さんが愚痴を言い始めた。 「私も同感!!! 生理的に無理!」 優子さんも同じ意見だったみたい。 「夢叶ちゃん、ここに居ていいからね」 「うん、夢叶ちゃんを守ろうの会、会員ナンバー1番の私が許す!」 「なんで優子が1番? 私が1番でしょ!?」 そんなやりとりを見ているのが楽しかった。 二人は、小学校に入る前からの幼馴染なんだって、さっき言っていた。 二人は、もう家族よりも家族みたいだって事も言っていた。 誰にも見えない、絆みたいなものがあるんだと、羨ましく思う。 私も、和美とそんな関係になりたいと、心から思った。 暑いのに、みんな大変な思いをしているんだろうな・・・ チケットは完売できるのかな? 二人の会話を聞きながら、そんな事を考えていた。
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